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第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域(以下、「第一種低層住居専用地域等」という。)に「空き店舗」や「空き家」、「空地」を所有していらっしゃる方、今までは、シェアオフィス・テレワークスペース(以下「シェアオフィス等」といいます。)に使うことができませんでしたが、特例的に基準をクリアすればシェアオフィス等として使えることになりました。

空き物件を有効活用できそうです。

– Contents-

1 空き物件をシェアオフィス等に利用できるようになった背景

2 シェアオフィス等に利用するためには

3 まとめ

1 空き物件をシェアオフィスに利用できるようになった背景

新型コロナウイルス感染症の拡大を契機として、シェアオフィス等へのニーズが高まっています。

在宅勤務しなければならないけど、自宅には仕事をするスペースがない人や、家族がいて仕事に集中できない人からのニーズ、企業の多様な働き方を推進したい、といったニーズです。 しかし、現行の建築基準法では、第一種低層住居専用地域等には、原則、事務所等に分類されるシェアオフィス等を建築することができません。

実際には、地方自治体が、地域の良好な住居の環境を害するおそれがないと認めて許可した場合には、立地させることが可能となっていますが、これまでに許可の実績がなく、地方自治体も許可に対して消極的という現実がありました。

そこで、国土交通省が、令和3年6月25日付けで「技術的助言」を出し、地方自治体が特例的にシェアオフィスの立地に関する許可を出すための「許可方針」や「許可基準」の目安を示しました。

 この「許可方針」や「許可基準」を満たせば、第一種低層住居専用地域等に、シェアオフィス等を立地させる可能性が出てきたのです。

2 シェアオフィス等に利用するには

では、シェアオフィス等に利用するために、満たすべき「許可方針」と「許可基準」はどのような内容なのでしょうか。

「許可方針」

第一種低層住居専用地域等におけるシェアオフィス等について、特例許可をするにあたって、許可基準(案)を参考に、当該用途地域の良好な住居の環境を害するおそれがない等と認められるものについて、許可の対象とすること。

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域及び第一種中高層住居専用地域におけるシェアオフィス等の立地に係る建築基準法第48条の規定に基づく許可の運用について(技術的助言)

つまり「良好な住居の環境を害するおそれがない」場合に許可の対象となります

「許可基準(案)」

立地を許可する基準として、①立地環境 ②騒音 ③臭気 ④道路交通 ⑤交通安全対策が示されています。

①立地環境

良好な住居の環境を保護するという第一種低層住居専用地域等の目的を考慮しつつ、地域住民の日常的な生活圏域にも配慮して、地域住民の日常生活のために立地を許容するかどうかを総合的に判断すること。

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域及び第一種中高層住居専用地域におけるシェアオフィス等の立地に係る建築基準法第48条の規定に基づく許可の運用について(技術的助言)

「地域住民の良好な住居環境を守ること」が示されています。

②騒音

周辺騒音の状況等を踏まえつつ、地域の実情に応じ、下記により判断すること。

(1)施設の外に利用者が滞留することのないよう措置を講ずること。

(2)その他、地域の実情に応じ、騒音に配慮した措置を講ずることにより判断すること。

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域及び第一種中高層住居専用地域におけるシェアオフィス等の立地に係る建築基準法第48条の規定に基づく許可の運用について(技術的助言)

例えば、駐車場や駐輪場の設置はどうするか検討する、営業時間の制限して、地域住民に騒音で迷惑をかけないようにすることです。

③臭気

・周辺の状況等を踏まえつつ、地域の実情に応じ、臭気に配慮した措置を講じること。

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域及び第一種中高層住居専用地域におけるシェアオフィス等の立地に係る建築基準法第48条の規定に基づく許可の運用について(技術的助言)

喫煙を制限したり、ゴミ置場に措置を講じ、住民に臭気の迷惑をかけないようにすることが示されています。

④道路交通

(1)シェアオフィス等の敷地は、その施設規模、利用者の出入りの頻度に応じ、適切な道路幅員に接していること。

 (2)駐車場を設ける場合、シェアオフィス等の出入口は、交差点の近接部、急勾配の道路、バス停の近接部等自動車等の出入りが道路交通の支障となる場所又は、自動車等の出入りが困難な場所を避け、極力周囲の居住環境や道路交通に対する影響が少ない場所に設けること。

(3)その他、地域の実情に応じ、局所的な交通量の発生や近隣の路上駐車の増加等の道路交通に対する影響に配慮した措置を講ずること。

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域及び第一種中高層住居専用地域におけるシェアオフィス等の立地に係る建築基準法第48条の規定に基づく許可の運用について(技術的助言)

道路交通に支障がないよう措置を講じることが示されています。

⑤交通安全対策

(1)駐車場を設置する場合、歩行者や敷地内に出入りする自動車等の運転手による前面道路及び敷地内通路の見通しを確保するため、適切な空地の確保を図ること。

(2)駐車場を設置する場合、自転車と自動車等の動線が呼応紗しない等適切な位置に設置すること。

(3)その他、地域の実情に応じ、交通・防犯等の安全に配慮した措置を講ずること。

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域及び第一種中高層住居専用地域におけるシェアオフィス等の立地に係る建築基準法第48条の規定に基づく許可の運用について(技術的助言)

例えば、施設の外に利用者が滞留することのないような措置をとり、交通安全を十分配慮することです。

3 まとめ

上記の「許可方針」と「許可基準」を満たして、空き物件をシェアオフィス等に利用できれば、不動産を活用範囲が広がりそうです。

事務所としての利用なので、飲食店にくらべて、不動産へのダメージも比較的少ないのもメリットです。

住民にとっても、自宅の近くにシェアオフィス等があったら利用してみようと思うかもしれません。

参考にしていただけたら幸いです。